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かつてひっそりと開発されたこのテクノロジーは、いまや業界の主流だった。
すでにインターネットエクスプローラに組み込まれていたし、ウィンドウズにも搭載される予定だった。
というわけで、E氏は、さしたる苦労もなく、サンフランシスコに拠点を置くD社を吸収し、クローム用の兵器庫に追加した。
D社は、1995年創業で、コンピュータ業界でもっとも早くJAVAベースの製品を開発して出荷した新興企業と自称している。
有名なのはリキッドモーションというJAVAベースのオーサリングツールで、これがあれば、プログラマーは、バナー広告や動画のグラフィックといった、3Dおよびマルチメディアのウェブコンテンツを製作できる。
もうひとつは、リキッドリァリティという、JAVAベースのVRML(仮想現実モデリング言語)ブラウザだ。
M社は、すでに、D社のテクノロジーの一部をインターネットエクスプローラに組み込むためのライセンスを得ていた。
この従業員40名の会社を買収したことで、D社のリキッド関連製品とテクノロジーが、ダイレクトXのマルチメディア機能と統合され、開発者たちは、ビデオ、オーディオ、3D、アニメーションを、ウィンドウズ用アプリケーションに組み込めるようにした。
2月に、E氏は上司たちに向かって、S社のジャバソフト事業部が、2週間後にD社に対して行動を起こすと警告した。
そして、過激ではないにしても、うむをいわせぬ口調で、M社はこの買収工作を妨害するために必要なことをするべきだと主張した。
ジャバソフトは、そこから分離独立したM社と提携していた。
E氏は、J社とM社が、N社と組んで、D社のマルチメディア用オーサリングツールを調達するかまえだと伝えた。
N社から武器を奪うという主張は、たとえそのために2000万ドルの資金が必要になるとしても、重役たちのあいだでは受けがよかった。
M社は買収を承認した。
だが、ネットスケープから毛布を奪い取るというのは、E氏のほんとうの狙いではなかった。
「ほんとうの目的は、N氏に、I氏ではなく、D社の買収を支持させることだった」E氏は語る。
しかも、D社には、10以上の優秀なJAVAプログラマーがいた。
「3Dに熟達した人材がどうしても必要だ。
クロームを早急に完成させるために」E氏は、自分のスタッフに送ったメールでこんなふうに書いていた。
D社の買収により、E氏は、1998年の中盤には、M社は「クロームの威力をしめす強烈なデモンストレーションで大騒ぎになる」と予測した。
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